サーバー構築に苦労した私が、30分でWebアプリを作れてしまった
前回は、ChatGPT Workにプログラムの実行ログを渡して、「何が関係している?」と聞いてみました。(リンク)
すると、データを整理し、関係しそうな要因まで探してくれました。
今回は、それとは別にChatGPT Workを使って驚いた話です。
2026年8月初め、ChatGPT Workの「Sites」という機能を使えば、Webアプリも作れると知りました。
「チャットでアプリが作れる」と言われても、どこまでできるのかは分かりません。
それなら、実際に試してみるのが一番です。
ということで、さっそく作ってみました。
日々の交通費を記録するアプリを作りました
今回作ったのは、「日々の記録」というWebアプリです。
このアプリで記録するのは、日々の交通費です。
一回ごとの金額はそれほど大きくありません。それでも、毎日のことなので、積み重なると無視できません。
そこで、きちんと記録しておくことにしました。
よく使う経路や金額は、あらかじめパターンとして登録します。毎日の入力では、その中から選ぶだけです。
複雑なアプリではありません。
しかし、市販のアプリに自分の使い方を合わせるのではなく、自分が使いやすい形にしたいと思いました。
それをChatGPT Workに伝え、対話しながら必要な機能や画面を具体化していきました。
最初から細かな仕様をすべて決めていたわけではありません。
「このように記録したい」
「毎回入力するのは面倒なので、登録済みのパターンから選びたい」
そのように希望を伝えながら、少しずつ形にしていきました。
仕様書を完成させてからプログラムを作るのではありません。
話しながら仕様を固め、その場でアプリにしていきます。
アプリ本体は約30分で形になりました
アプリ本体が形になるまでにかかった時間は、約30分でした。
必要なプログラムは、ChatGPT Workが作りました。私はコードを一から書いていません。
少なくとも私の側では、サーバーを準備したり、外部サービスを設定したりする作業もありませんでした。
チャットで作りたいものを伝えると、ブラウザで動く形になりました。
しかも、対話しながら仕様を具体化したので、出来上がったものは期待していた形に近いものでした。
現在も、実際に日々の記録に使っています。
「こんなアプリも作れます」という見本を眺めただけではありません。
自分が必要としていた道具を、自分の使い方に合わせて作り、そのまま使い始めることができたのです。
ここは、私にとって大きな驚きでした。
技術系のシステムを担当していた頃
私は以前、IT部門で、技術系のシステムを担当していました。
インターネットが広がる前には、パソコン通信で海外へ接続しようとして、悪戦苦闘したこともあります。
ところが、インターネットでは、あっという間につながりました。
当時は、利用する環境に応じて、開発側で個別に対応しなければならないこともありました。
そこへ「イントラネット」という言葉が登場しました。
最初に聞いたときは、
「イントラネットとは何や。また新しい売り文句か」
と思いました。
ところが、話を聞くと、ブラウザを使って社内システムを利用できるというのです。
利用する側の環境の違いを、以前ほど意識しなくてよくなります。
これは、バラ色の世界が来るのではないかと思いました。
便利になっても、作る側の壁は残っていました
ところが、ふたを開けてみると、イントラネットで社内システムを動かすには、サーバーの設定が大変でした。
一方、インターネット上に個人ページを公開しようとしたときも、簡単ではありませんでした。
雑誌の記事に踊らされて個人ページを作ってみました。当時の私は、自分のパソコンをサーバーとして動かす方法で公開しようとしました。
さらに、サイトを使いやすくしようとすれば、新しい言語や仕組みも勉強しなければなりません。
インターネットもイントラネットも、使う側にとっては大きな進歩でした。
しかし、作る側には、まだ専門知識が必要でした。
便利にはなりました。それでも、自分が欲しいものを自分で作るには、かなり高い壁が残っていました。
当時の私は、そう感じていました。
サーバーもプログラムも消えたわけではありません
もちろん、世の中からサーバーやプログラムが消えたわけではありません。
私が今回作ったWebアプリにも、プログラムは存在します。どこかでは、アプリを動かし、記録を保存するための仕組みも動いています。
ただ、それらを私が一から準備する必要はありませんでした。
昔は、作りたいものがあっても、その前にサーバーや開発言語を勉強しなければなりませんでした。
今回は、まずChatGPT Workに「こんなものが欲しい」と相談できました。
対話しながら仕様を具体化し、必要なプログラムを作ってもらいました。
消えたのは、サーバーやプログラムではありません。
自分が作り始めるまでに立ちはだかっていた、高い壁でした。
生成AIが、従来のITを作るようになりました
以前の記事で、私は次のように整理しました。
ルールで処理できる仕事は従来のITに任せます。決まった答えがない探索や相談では、生成AIを使います。そして、最後に確認し、判断するのは人です。
今回のアプリも、完成した後の日々の処理は、決められたルールに沿って動きます。
登録しておいたパターンから選び、その内容を記録する。毎回、生成AIに考えてもらう必要はありません。
一方、どのようなアプリにするかを考え、仕様を具体化し、必要なプログラムを作るところでは、ChatGPT Workを使いました。
従来のITと生成AIのどちらかを選んだのではありません。
生成AIと相談しながら、目的に合う従来型のプログラムを作ったのです。
「ルールで処理できる仕事は従来のIT」という考え方は変わりません。
ただ、その従来のITを、生成AIと対話しながら作れるようになりました。
ここは、これまでとは少し違うところです。
簡単に作れるからこそ、何を入れるかは慎重に考えます
今回の記事を書く途中で、もう一つ考えたことがあります。
Webアプリを簡単に作れるからといって、どのような情報でも入れてよいわけではありません。
どこに保存されるのか。誰がアクセスできるのか。外部に漏れたときに困る情報ではないか。
本来は、使い始める前に確認すべきことです。
私は現在、外へ出ても困らない範囲の情報に限って、このアプリを使っています。
また、ブログで紹介する場合も、アプリの用途や仕組みをどこまで公開するのかを考える必要があります。
一つひとつは何でもない情報でも、組み合わせれば、アプリの構成や使い方を推測する手掛かりになるかもしれません。
簡単に作れることと、安全に使えることは別です。
安全性を確認する以前に、外へ出たら困る情報は、最初から安易にアップロードしない方がよいでしょう。
作るまでの壁が低くなったからこそ、何を入れ、何を公開するのかは、人が慎重に判断しなければならないと感じました。
欲しいアプリは、探すものから作るものへ
これまでは、何かを記録したいと思ったら、まず自分に合うアプリを探していました。
見つからなければ、Excelで工夫します。市販のアプリを使う場合は、自分のやり方をアプリの仕様に合わせる必要もありました。
しかし今は、自分が欲しいものをAIに伝え、自分の使い方に合うアプリを作るという選択肢が出てきました。
思いついたものが、短い時間で実際に動く形になります。
これは、パソコン通信やインターネット、イントラネットの登場を見てきた私にとっても、大きな変化でした。
生成AIに任せられる作業が広がっても、完成したものを確認し、実際に使ってよいかを判断するのは人です。
作ることが簡単になった分、その責任はむしろ大きくなるのかもしれません。
パソコン通信で海外につなぐことに悪戦苦闘し、イントラネットを知ってバラ色の未来を想像し、サーバー設定の大変さに現実へ引き戻されました。
その私が今、ChatGPT Workと話しながら、自分で使うWebアプリを30分で作っています。
世の中の進化は、本当にすごいですね。