最近は「AIが人の仕事を奪う」「AIを使えない人は取り残される」といった話をよく耳にします。
では実際のところ、AIは部下より優秀なのでしょうか。
今の私の答えは、
**「知識量では圧倒的に優秀だが、管理職として競う相手ではない」**
です。
## 最初のAIは百科事典だった
私が最初にAIを使った頃の印象は、とても優秀な百科事典でした。
知らないことを尋ねると教えてくれる。
調べものをすると整理してくれる。
しかし、それ以上でもそれ以下でもありませんでした。
「便利な検索システム」
それが当時の認識です。
## 気がつくと考察する相手になっていた
ところが、AIは急速に進化しました。
単に知識を教えるだけではなく、
* 情報を整理する
* 仮説を出す
* 反対意見を考える
* 複数の視点から検討する
といったことができるようになりました。
私自身、技術課題や組織運営について考える際に、AIへ相談することが増えました。
最初は百科事典だったものが、いつの間にか議論相手になっていたのです。
少し大げさに言えば、
「成長した部下と議論している」
ような感覚に近いかもしれません。
## さらに作業も任せられるようになった
最近はさらに変化しています。
文章作成
情報整理
調査
要約
これらの定型業務をAIがこなせるようになりました。
しかも、プログラムを書かなくても自然な言葉で指示できる。
これは管理職として非常にありがたい変化です。
以前であれば自分で行っていた作業の一部を任せられるようになりました。
## AI同士を議論させるのも面白い
個人的に面白いと思っているのは、AIに異なる役割を与えられることです。
技術者役
マーケター役
経営者役
利用者役
それぞれの立場を設定し、議論させることができます。
現実の会議では参加者の時間調整だけでも大変ですが、AIなら瞬時に複数の視点を用意できます。
もちろん最終判断は人間が行う必要があります。
しかし、考えを広げるための補助としては非常に優秀です。
## 知識量では勝負にならない
ここ数年使ってきて感じるのは、
知識量でAIと勝負しても意味がない
ということです。
覚えている情報量では、人間は到底勝てません。
私も部下も同じです。
だからこそ、
「誰が一番知っているか」
ではなく、
「その知識をどう使うか」
が重要になります。
## それでも人間の仕事は残る
一方で、AIが苦手な領域もあります。
人の感情を読むこと。
利害関係を調整すること。
納得感をつくること。
組織を動かすこと。
管理職の仕事の多くは、実はここにあります。
技術的な正解があっても、人は正解だけでは動きません。
この部分は今でも人間の役割だと思っています。
## 管理職が持つべき目
最近気になることがあります。
「AIでやりました」
という言葉です。
確かにAIを使うことは重要です。
しかし、管理職が見るべきなのはAIを使ったかどうかではありません。
成果物の中身です。
AIを使っていても内容が浅ければ意味はありません。
逆にAIを使っていても質の高い成果物なら価値があります。
重要なのは手段ではなく結果です。
管理職はその違いを見抜く目を持たなければならないと感じています。
## 今の答え
AIは部下より優秀なのでしょうか。
知識量だけなら間違いなく優秀です。
しかし、私が数年使ってきた結論は、
**AIは部下の代わりではなく、管理職自身の能力を拡張する存在**
ということです。
そしてもう一つ。
組織でAI活用を進めるのであれば、
**まず管理職自身が使い倒してみること**
が大切だと思っています。
使ったことがない人が活用を語るより、自分で試して得た実感の方がはるかに説得力があります。
少なくとも私は、そう考えています。