前回、生成AIを使い始めてもらえたものの、多くの人が最初に示した使い方からなかなか先へ進まない、ということを書きました。

チャット形式のLLMを使って、文章を整える。
アイデアを出す。
資料の構成を考える。
分からないことを聞く。
自分の考えを整理する。

ここまでは、少しずつ広がってきました。

これは大きな前進です。

では、その次の使い方をどう示せばよいのか。

あれから1年ほど、いろいろ試してきました。

その結果、今の私の結論はかなりシンプルです。

普通に使っている実例を示す。

これが一番伝わりました。

立派な研修資料を作ることではありません。
すごそうなデモを見せることでもありません。

普段の仕事の中で、普通にAIを使う。
そして、その様子を見せる。

これが一番受け入れてもらいやすかったように思います。

資料を作るときに、いきなりPowerPointを開かない。

まずAIに構成を相談する。
出てきた案を見ながら、自分の経験や伝えたいことを加える。
違うところは直す。
使えるところは使う。

文章を書くときも同じです。

最初からきれいに書こうとしない。
自分の言いたいことを雑に入れる。
AIに整理してもらう。
出てきた文章を見て、自分らしい表現に戻していく。

こうした使い方は、特別なことではありません。

日々の仕事の中で、普通に出てくる作業です。

その普通の作業に、普通にAIを入れていく。

これを見せることが、何よりも伝わりやすかったのだと思います。

加えて、この1年でAI自体も大きく進化しました。

1年前は、AIといえばチャットで質問するもの、文章を作るもの、情報を調べるもの、という印象が強かったように思います。

プレゼン資料をAIで作るなら、Gammaのような専用サービスを使うものだと思っていました。

しかし今は、汎用的なLLMでも、資料の構成を考え、スライド案を作り、場合によってはプレゼン資料として形にするところまで近づいています。

Excelで扱うような表やデータについても、以前はAIに聞いて、人間がExcelに反映する感覚でした。

ところが今は、ファイルを扱いながら、表の意味を読み取り、整理し、分析し、加工の方向まで示してくれるようになってきました。

AIは、情報を集める道具から、仕事を前に進める道具へ変わってきた。

ここが、受け入れる側にとっても大きかったと思います。

単に情報を集めるだけの道具なら、

「便利そうだけど、自分で調べてもいいかな」

で終わってしまうかもしれません。

しかし、資料のたたき台ができる。
比較表ができる。
作業手順が整理される。
会議前の論点が出てくる。

ここまで見えるようになると、

「それなら自分の仕事でも使えそうです」

という言葉に、現実味が出てきます。

普通に使っている実例を見せ続けたこと。
加えて、AI自体が仕事に近づいてきたこと。

この二つが重なって、ようやく「自分にも使えそうだ」と受け止めてもらいやすくなった。

今は、そう考えています。

ただし、ここで終わりではありません。

AIが仕事を前に進める道具になってきたからこそ、出てきた答えを見極める力も必要になります。

AIは便利です。
しかし、うのみにしてよいわけではありません。

次は、そのことについて考えてみたいと思います