生成AIを使い始めたころは、知りたいことを調べるために質問していました。

そこから、資料や文章、画像を作るようになり、少し前にはアプリまで作れてしまいました。

ここまで来たら、次は何でしょう。

私の場合、その答えは「作業の一部を任せる」でした。今、毎日動かしている自作のログ集計システムの稼働状況を、AIに分析してもらっています。

以前の記事では、このシステムの実行記録(ログ)をAIに渡し、「何が関係している?」と分析してもらいました。今回変わったのは、それが一度限りの分析ではなくなったことです。手順や判断基準を残し、日々の確認作業として繰り返し任せられるようになりました。

指示は、「今日の結果を分析して」。

これだけで結果をまとめてくれるようになりました。ここまで来ると、部下に仕事を任せて、報告を受け取っているような感覚があります。

始まりは、実行記録だけでは全体が見えなかったこと

最初から、この形を目指していたわけではありません。

ログ集計システムには実行記録が残っていましたが、それだけでは稼働状況の全体像をつかみにくく、確認に苦労していました。以前の記事で紹介したAIによる分析は、そこから始まりました。

そこから、状況をつかみやすくするためのサマリー情報をAIと一緒に作り、定型化していきました。エラーが起きた際の原因究明も一緒に進め、稼働状況を見るための指標をまとめたファイルも作るようになりました。

一度分析してもらって終わりではなく、日々確認する作業へとつながっていったわけです。

手順を残したら、短い指示で任せられるようになった

関係するファイルをどう作るのか。結果をどのような基準で判断するのか。

一緒に進めながら整理した内容は、プロジェクト内にAIが参照する作業手順として保存しています。私が使っている環境では、この作業手順を「スキル」と呼んでいます。ファイルの作り方だけでなく、結果を見るときの判断方法も含めています。

その結果、今は「今日の結果を分析して」という指示で、結果をまとめてもらえるようになりました。

もちろん、最初の一言ですべてが整ったわけではありません。分析を頼み、結果を確認し、必要な処理や見方を追加する。その積み重ねがあります。

それでも、その仕組みをプロンプトでやり取りしながら作れたことには、変化を感じます。

以前、エージェントを作ったときは大変だった

私は以前、Azureで、あるソフトの問い合わせを担当するエージェントを作ったことがあります。詳しい内容は書けませんが、設定が多く、専門家のサポートがなければ難しかったと思います。

今回は自分用です。してほしいことを言葉で伝えながら、日々の確認に使える形まで組み立てられました。分析を始める指示は私が出し、報告も自分で読みます。

多くの人が使うものなら、情報へのアクセスを管理するセキュリティ設定に加え、情報の更新や出力の調整など、日々の運用にも工数がかかります。用途や利用条件が違うので、以前の仕組みと単純には比較できません。

それでも、自分の作業を助ける仕組みを、プロンプトでやり取りしながら作れたことは、私にとって大きなポイントでした。

任せてみると、AIの揺らぎも見えてきた

一方で、任せてみると気になることも出てきました。

日によって、評価項目が増えたり減ったりするのです。処理時間の分析でも、分類が増減していました。

毎日の状況を確認したいのに、見る項目や分類が変わってしまうと、比較しにくくなります。結果が変わったのか、見方が変わったのかも分かりにくい。

そこで、評価項目を固定しました。処理時間を分析するときの分類も固定しました。

分析を進める中で揺らぐところは、極力ルールベース化する。決められる部分は決めておき、その枠に沿って分析してもらうようにしています。

以前の記事で、探索的な分析は生成AI、定型化した集計は従来のIT、と整理しました。今回も、その考え方の延長です。AIと一緒に進めながら、ルールにできる部分を見つけて固めています。

「それで、全体はどうだった?」と聞きたくなる

私が分析の基本として大切にしているのは、「全体を見てから細部へ」「MECE」「変化点を見つける」ということです。

MECEとは、重複や漏れがないように整理する考え方です。まず全体を押さえ、漏れなく見たうえで、変化したところを掘り下げたい。

ところが、今回のAIの分析では、どうも変化点に引っ張られることがあります。気になる変化には注目するものの、全体を見ていなかったり、確認に漏れがあったりするのです。

報告を読んでいると、「それで、全体はどうだった?」「こちらは確認した?」と聞きたくなります。

まるで若手の報告を受けているようです。

もちろん、若手全員がそうだという話ではありません。ただ、目についたことを掘り下げるあまり、全体への目配りが抜ける。その感じに、どこか覚えがあります。

私自身、今もまとめの内容を読んで、妥当かどうかを判断しています。違和感のある表現が出てくることもあれば、気になる点の原因調査をスキップしていることもあります。

評価項目や分類を固定しても、報告の確認まで不要になったわけではありません。

一度の分析から、日々の報告を受け取るところへ

情報を探してもらう。資料や文章、画像を作ってもらう。アプリを作ってもらう。

その先で、日々の確認作業を、AIから報告を受け取る形へ変えました。

一度分析してもらった経験が、手順や判断基準を残すことで、繰り返し任せられる日々の作業になりました。

しかも、手順や判断基準を整える作業も、プロンプトでやり取りしながら進められました。

任せてみて揺らぐところが分かれば、ルールを決める。出てきた報告は、自分で読んで判断する。今は、そのように使っています。

「今日の結果を分析して」と頼み、報告を読む。気になるところは確認する。

作業の一部を任せただけですが、AIとの付き合い方は、また少し変わったように感じています。