専門家に会うなら、何を持って行けばいいのだろう?
前回の記事では、寒冷地技術の国際会議へ参加し、専門家の話を聞いたものの、何も持っていない状態では次の議論には進めないことを実感したと書きました。
では、次はどうするのか。
帰りの飛行機の中でも、戻ってからも、頭の中では同じことを考えていました。
「専門家に会うなら、何を持って行けばいいのだろう。」
言葉だけでは限界がある
実は、「何か形になるものが必要だろう」ということは、最初から何となく思っていました。
長年仕事をしてきた経験から、言葉だけで新しいことを説明するには限界があります。
一方で、試作品でも図面でも試験結果でも、「これです」と見せられるものがあると、人は興味を持ってくれます。
もちろん批判されることもあります。
でも、何もない状態で「それは無理だ」と言われるのと、形になったものを見ながら「ここを改善した方がいい」と言われるのでは、大きな違いがあります。
だから今回も、本当は何か持って行きたいと思っていました。
ただ、その時点ではまだ思いついたばかりです。
何を作ればよいのかも分からず、まずは「何も持たずに、どこまで話ができるのか」を試してみることにしました。
そして、結果は前回書いた通りでした。
思いつくことは、たいてい誰かがやっている
もう一つ、ずっと頭の中にある言葉があります。
新入社員の頃、先輩から言われた一言です。
「お前が思いつくようなことは、たいてい誰かが先にやっている。」
当時は、新人の鼻っ柱を折るために言っているのだと思っていました。
でも、今はその通りだと思っています。
だから私は、「こんなことを思いついた」と考えたら、その次に「誰かがもうやっていないだろうか」と調べるようにしています。
今回も同じでした。
歩道に雪が積もらない方法。
滑りにくくする方法。
凍上を防ぐ方法。
いろいろなアイデアは頭に浮かびます。
でも、「こんなことを考えるのは自分だけだ」とは思っていません。
むしろ、世界中で多くの人が考え、研究しているはずです。
だからこそ、まずは文献を調べ、今ある技術を知ることが大切だと考えています。
業界には、業界の進め方がある
もう一つ考えていたことがあります。
それは、新しい技術だけではなく、新しく入ってきた人にも、業界には独特の距離感があるということです。
どの世界にも、その分野で長年取り組んできた人たちがいます。
その中へ、何の実績もない私が「面白いことを考えました」と入っていっても、簡単には受け入れてもらえないでしょう。
これは道路業界だけの話ではありません。
会社でも、趣味の世界でも、同じようなことはよくあります。
だから私は、「どうやって入るか」も考える必要があると思いました。
今の私にできること
結局のところ、今の私にできることは限られています。
文献を調べること。
技術を知ること。
そして、小さくても自分なりの考えを形にしてみること。
遠回りに見えるかもしれません。
でも、専門外の世界に入るには、この順番を飛ばすことはできないのだと思います。
さて。
文献を読みながら、少しずつ頭の中のアイデアも整理されてきました。
次は、その中から「本当に可能性があるものは何なのか」を考えてみたいと思います。