モノがないからこそ、まず話してみることにした
前回の記事では、先が見えないテーマだからこそ、小さく始めることにしたと書きました。(リンク)
では、実際に何をしているのか。
今のところ、やっていることはそれほど大げさなものではありません。
文献を調べる。
部内の進捗報告で、こんなことを考えていると紹介する。
今は、そんなところです。
まだ具体的なモノづくりは始まっていません。大きな予算が動いているわけでもありません。だからこそ、今はいろいろ試しながら進めることができます。
モノもない。専門家でもない
文献を調べれば、雪や氷への対策も、道路や歩道についても、すでに多くの研究機関や企業が取り組んでいます。
しかも道路や歩道は、長年にわたって行政が整備し、既存の業界や企業が担ってきた分野です。
そこへ、まったく別の分野から入っていこうとしている。
簡単なはずがありません。
さらに、私たちは道路や歩道を作る専門家ではありません。
自分たちが得意な技術はありますが、それを道路や歩道でどう使えばよいのかは分からない。
実際に歩道を作っている会社とのつながりもありません。
モノもない。実績もない。業界とのつながりもない。
なかなか見事に何もありません(笑)。
以前の記事にも書いたように、そこで「学」と「官」の力を借りたいと考えていました。
でも、アイデアしかない
そこで、また困ります。
大学の先生に相談したい。でも、相談するモノがない(笑)。
以前の記事では、専門家と具体的な議論をするには、試作品や図面、試験結果など、何か形になったものが必要だと書きました。(リンク)
その考えは、今も変わっていません。
ただ、今回気づいたのは、その一つ前の段階です。
具体的な評価をしてもらうには、やはりモノやデータが必要です。
でも、そのモノを作る前に、
「何を試せばよいのか。」 「そもそも、この考え方に技術的な可能性があるのか。」
を一緒に考えてもらうなら、アイデアと調べたことを持って、まず話してみるしかありません。
私が持っているのは、
「こういうことができたら面白いのではないか。」
というアイデアと、これまで調べてきたことくらいです。
こんな状態で、
「一緒に考えてもらえませんか。」
と言ってよいものなのか。
そこは少し悩んでいました。
ところが、思いがけない話が来た
そんなことを考えていたところ、大学の先生に相談し、一緒に可能性を考えてもらえるかもしれない、という話が入ってきました。
これは、少し驚きました。
こちらには、まだ試作品もデータもありません。
完成した研究計画があるわけでもありません。
それでも、専門家に相談できる可能性が出てきた。
もちろん、これで何かが決まったわけではありません。
実際に検討してみたら、
「それは難しいですね。」
となる可能性も十分にあります(笑)。
それでも、一人で文献を読んで考えていたところから、専門家と一緒に考えられるかもしれないところまで来ました。
これは、私にとっては大きな変化です。
話していないと、何も起きない
振り返ってみると、特別なことをしたわけではありません。
調べる。
考える。
そして、考えたことを人に話す。
部内の進捗報告でも、
「今、こんなことを調べています。」
「こんなことができないかと考えています。」
と、話せる範囲で共有してきました。
その場ですぐに何かが起きることは、ほとんどありません。でも、聞いた人の頭の片隅には残ることがあります。
今回も、そんな話を覚えてくれていた人が、別のつながりの中で今回のテーマを紹介してくれました。
そこから、大学の先生に相談できる可能性が出てきました。
アウトプットしていなければ、この話は来なかっただろうな。
今は、そんなことを感じています。
もちろん、自分一人でここまで来たわけではありません。
話を拾ってくれた人。別の人につないでくれた人。その先で、話を聞こうとしてくれた人。
いろいろな人の力を借りています。
つくづく、人に話すことの大切さと、力を貸してくれる人へのありがたさを感じます。
今は、まだ自由に考えられる
前回の記事では、
「ベテランらしく、のらりくらりと小さく積み上げていく。」
と書きました。
今は、まさにその段階です。
まだ具体的なモノづくりも、大きな予算も動いていません。
だから、調べてみる。人に話してみる。違っていたら考え直す。別の人に聞いてみる。
そんなことができます。
実際にモノを作り始めれば、そうはいきません。
何を作るのか。いつまでにやるのか。誰がやるのか。どこまで成果を出すのか。
決めなければならないことが増えてきます。
でも、今はまだそこではありません。
今は、調べて、話して、つながって、少しずつ可能性を増やす時期なのだと思っています。
モノがないからこそ、できることもある
以前は、
「モノがなければ、専門家とは具体的な話ができない。」
と考えていました。
今も、それは正しいと思っています。
でも今回、モノを作るための最初の相談なら、モノがなくても始められる。
ということにも気づきました。
アイデアしかなくても、調べたことを整理して、必要な人に話してみる。
そうすれば、
「それなら、こんな人に聞いてみたら。」
「一緒に考えてみましょうか。」
と言ってくれる人が現れることがあります。
もちろん、毎回そうなるわけではありません。話しても何も起きないことの方が多いでしょう。
それでも、話さなければ、つながる可能性も生まれません。
まだ試作品はありません。技術として成立するのかも分かりません。
それでも、一人で考えていたところから、一緒に考えてもらえるかもしれないところまで来ました。
まず話してみることも、小さく始める方法の一つなのだと思います。
さて、この先、大学の先生とどんな話になるのでしょうか。
私自身、かなり楽しみにしています。