ChatGPT Workにログを調べさせてみた。「何が関係している?」と聞いただけなのに
前回の記事では、自分のパソコンでローカルLLMを動かしてみた話を書きました。
ちゃんと動く。でも遅い。そして、普段使っているChatGPTなどと比べると、壁打ち相手としては物足りない。
そこで、
「やっぱりAIも適材適所だな。」
というところに落ち着きました。
今回は、そのとき試した小型のローカルLLMではありません。
使ったのは、ChatGPT Workです。
正確には、LLM単体にログを渡したのではなく、LLMがファイルや分析ツールを扱えるChatGPT Workに調べてもらいました。
デスクトップ版のWorkでは、必要な権限を与えることで、パソコン内のローカルファイルを使った作業ができます。
もともと私がやりたかった、
「パソコンの中にあるファイルを読んで、仕事をしてほしい。」
に、かなり近いことができるようになってきました。
そこで今回は、自分で作ったログ集計システムのデータをWorkに調べさせてみました。
自作のログ集計システムを調べてもらう
このシステムには、あるプログラムについて、
- いつ実行したか
- どのくらい時間がかかったか
- どの処理を省略したか
といった結果が記録されています。
平均実行時間を出すような決まった集計なら、従来のプログラムで十分です。
ルールで処理できる仕事は、従来のITでやればいい。
でも、ログがたまってくると気になってきます。
「何が実行時間と関係しているのだろう?」
そこで、かなり大ざっぱに聞いてみました。
「省略ステップ数、曜日、実行時間帯などのうち、どの項目が実行時間と強く関係しているの?」
ほぼ、これだけです。
「なかなかやるやん!!」
正直、それほど期待していませんでした。
ところが、ChatGPT Workはデータを読み、いくつかの切り口から実行時間との関係を整理してきました。
今回のデータでは、曜日との明確な関係は見られませんでした。
一方、実行時間との関係が最もはっきり表れたのは、省略ステップ数でした。
考えてみれば、
処理をたくさん省略すれば、実行時間が短くなる。
当たり前です(笑)。
もちろん、今回の分析だけで因果関係まで証明できるわけではありません。
ただ、処理を多く省略した実行ほど所要時間が短い、という傾向は確認できました。
私が驚いたのは、この結論そのものではありません。
私は、
「曜日ごとに集計して。」
「この列とこの列の関係を調べて。」
といった分析手順を指定していません。
ただ、
「何が関係しているの?」
と聞いただけです。
それでデータを見て、調べ方を考え、関係が強そうな項目まで整理してきました。
思わず、
「なかなかやるやん!!」
となりました。
驚いたのは、計算ではなく調べ方
計算ならExcelでもPythonでもできます。
今回面白かったのは、
こちらが分析方法を細かく決めなくても、Workが調べ方をある程度組み立ててくれたことです。
これまでは、人が、
「何が原因だろう。」
と考え、
見るべきデータを決め、
分析方法を考え、
結果を確認していました。
今回は、その途中をかなりWorkが埋めています。
ここで、以前から考えている、
「ルールで処理できる仕事は従来IT、非定型な仕事は生成AI。」
という分け方が、少し具体的になりました。
ログを保存する。
実行時間を記録する。
決められた形式で集計する。
ここは従来ITです。
一方、
「最近、何か変じゃない?」
「何が実行時間と関係している?」
という段階では、最初から分析方法が決まっているわけではありません。
ここをWorkに手伝ってもらう。
そして、一度見るべき項目や計算方法が決まれば、次からはPythonなどで同じ分析を繰り返せばよい。
探索はLLMを使った環境。定常的な集計は従来IT。
そんな分け方もできそうです。
分析結果の妥当性を判断するのは人
以前の記事にも書いたように、生成AIは、もっともらしい答えを返していても間違っていることがあります。
だからといって、
「ChatGPT Workがそう言ったから正しい。」
とはしません。
データ数は十分なのか。
分析方法は適切なのか。
別の要因が隠れていないか。
実際の業務判断に使うなら、元データや計算方法も別に確認する必要があります。
今回、省略ステップ数との関係が最も強かったという結果についても、
「少なくとも、結果の方向としては筋が通っている。」
と判断したのは人です。
つまり今回は、
分析作業はAI、妥当性の確認と最終判断は人。
という役割分担になります。
AIに任せられる「作業」の範囲が、私が思っていたより広かった。
これが今回の発見でした。
ファイルを読めると、AIの使い方が変わる
「このフォルダを確認して、これを処理しておいて。」
と日本語で頼めるようになったら面白い、と書きました。
そのときは、
「そんなに簡単ではない。」
というところで終わりました。
今回やったのは、AIにパソコンを自由に操作させることではありません。
でも、
「このフォルダーを見て、何が起きているか考えて。」
には、かなり近づきました。
ただし、便利だからといって、業務データなら何でもAIに見せてよいわけではありません。
ChatGPT Workでは、デスクトップ版で必要なファイルだけにアクセスを許可できます。一方で、ローカルで作業する場合でも、メッセージや作業コンテキストがクラウドに保存される場合があると、OpenAIは公式ヘルプで説明しています。
どのデータを使ってよいのかは、会社のルールや情報の内容を確認する必要があります。
「これなら自分で」から「そこまでやるんや」へ
前回、ローカルLLMを使ったときには、
「これなら自分でやった方が速いやん。」
と思いました。
今回は逆でした。
「そこまでやってくれるんや。」
です(笑)。
文章を書く。
相談する。
調べる。
アイデアを出す。
そこに、
「自分のデータを見て、一緒に考える。」
という使い方が加わりました。
これは、ちょっと恐るべしです。
そして便利になればなるほど、
どこまで見せるのか。
どこまで任せるのか。
今度はこちらを考える必要がありそうです。